「動け」
「止まれ」の逆は「動け」です。
単純なことですが、なるほどぉ、と感じました。
動いているものを観察するときは「止まれ」、
止まっているものを観察するときは「動け」なのです。
神田房枝、エイミー・ハーマンが画中の「人物に共感する」という言い方をしています。観察者(鑑賞者)が、見る視点を変えることの大切さを説明する文脈です。
物理的な視点を変える。例えば作品から少し離れたところに立って観察する。そうすることで、それまで気づかなかったことに気づくかもしれません。
写真はマネの「草上の昼餐」という有名な作品です。この作品を見るときに、男性の目線で見るか、女性の目線で見るかで作品から受ける印象は変わります。先ほどの「人物に共感する」という見方をしてみるとよく分かります。もしもあなたが女性だったら・・・。
着衣の男性たちと、裸でピクニック!?
たぶん「!?」がつくのではないでしょうか。
絵画という動きのない物体(視覚情報)を前に、視点を変えることで、それまでとは違う文脈が想像され、脳が刺激を受けます。いままで、そういうものの見方をしたことのなかった人の脳にとっては大きなショックかもしれません。
絵画観察が「知覚を磨くことにつながる理由」の1つは、ちょっとの工夫で、自分のそれまでの知覚のパターンに横やりを入れ、「自分の知覚を変化させる体験をできるから」です。
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